「長年にわたる影絵創作の成果を踏まえた、賢治童話の映像化の集大成にして、新たな境地への冒険といえる『画本 風の又三郎』に対して宮沢賢治賞を受賞」(贈呈式資料より)というのが受賞理由です。
受賞にあたり、先生は次の言葉を残しています。
「宮沢賢治作品は永遠の未完成の完成といわれているけれど、ぼくも今年90歳、これからも未完成の完成に、永遠に挑戦し続けてゆきたいと思っている。」
(受賞のことばより抜粋)
午前10時から贈呈式が行われ、その後に藤城先生の記念講演が行われました。
その中で先生は、
「宮沢賢治の童話を影絵で表現することは私の生き方の原点に近い。
風の又三郎は子供たちの日常の中に入り込んでいる。
風の又三郎は絵にしようとすると難しい、だからこそもっと取り組んでみたい。
学校の汚れた窓、机、教室といったリアルな物をそのままに表現し、それを通して見た自然も表現した。
今までの自分を出すのではなく、宮沢賢治の世界・作品に込められた思いを魂で描き、表現したいと思って取り組んだ。歳を重ねた今だからこそ解釈できるものがあるのではないか。
若い頃は影絵の光や線の美しさを中心に表現していたが、今は枝・葉・石・がれき全て自然そのままが美しい。痛んだ自然も美しいのだと気付いた。
影絵の良さというよりも、影絵を通じて宮沢賢治の物語の良さを伝えたい。
宮沢賢治が願っていたものを作る。
宮沢賢治賞をいただいた事をきっかけにこれからもっと挑戦し続けたい。」(講演より抜粋)
と述べられました。
会場には、昨年花巻市博物館で開催された展覧会において会場で描かれた「月夜の電信柱」が展示されておりました。
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